著者
五藤 員雄 黒岩 大助
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.182-191, 1975
被引用文献数
2 1

北陸地方における電線着雪の観測結果では, 着雪の比重は0.2以下で, 風速8m/sec以上では着雪はほとんど脱落してしまうと報告されているが, 北海道でおこる電線着雪では, しばしば着雪比重は0.6以上, 風速10m/secをこえる強風下でも脱落せず, 直径10~20cmに発達していく着雪が観測されている.このような条件下で発達する電線の着雪は, 電線の撚線に沿って着雪が滑り, 回転しつつ発達することが確かめられたので, この点に着目して2・3の着雪抑止方法が考案された.人工的な着雪実験でその効果を確認すると共に, フィールドテストも行った.その結果, 電線の長さが短い場合は抑止効果があるが, 長い場合は, 電線自体が捻れ回転し, 中央部分での着雪抑止効果が低減することがわかった.そこで, 捻れ防止対策を考え, 施したところ, 所期の効果を発揮することができた.