著者
船越 顕博 山内 孝 井 林博
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.77, no.11, pp.1766-1769, 1980

膵癌の酵素学的診断法を確立する目的で,DIPN 500mg/kgをgolden syrian hamsterの皮下に毎週注射することにより実験膵癌を作成した.実験膵癌の組織型は全て人膵癌類似のDuctal cell腺癌を示した.DIPN注射後,12,16,20,22,25週と経時的に採血し,血清中並びに膵組織中のRNase(Poly U, Poly C, Poly A, Poly G)を測定すると,全例膵癌の観察された25週にはPoly Uaseの上昇を認め,経時的なRNase測定により膵癌診断の指標となることが示唆された.