著者
龍 勝利 井上 惠子 森山 友幸
出版者
福岡県農業総合試験場
雑誌
福岡県農業総合試験場研究報告 (ISSN:13414593)
巻号頁・発行日
no.26, pp.57-60, 2007-03
被引用文献数
1

ホウレンソウの秋播き露地栽培において、硝酸イオン濃度が低い品種を選定するため、31品種における硝酸イオン濃度を調査した。また、硝酸イオン濃度が低い品種の選定指標を明らかにするため、硝酸イオン濃度と生育特性との関係について検討した。1.ホウレンソウの硝酸イオン濃度は葉柄重割合が大きい品種ほど高く、栽培日数が長く、1株重が大きい品種ほど低い傾向が認められた。2.ホウレンソウの硝酸イオン濃度は、品種間、年次間(2002年、2003年)および播種時期間(9月播種、10月播種)に1%水準で有意差が認められた。その一方で、年次と品種および播種時期と品種における交互作用は認められなかった。3.'サンカルロス'、'プラトン'、'まほろば'、'アトランタ'および'ミストラル'5品種の硝酸イオン濃度は対照品種'パンドラ'より低かった。特に'サンカルロス'と'プラトン'の硝酸イオン濃度は3000mg/kgFW以下であった。