著者
古賀 康男 井上 敏克 立屋敷 久志 助清 満昭 岡本 雅道 浅野 闘一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.17-25, 1997
被引用文献数
7

原子炉の解体に伴い、大量の非放射性コンクリートが発生する。環境への配慮から、このコンクリートを処理して重量比で80 %を占める骨材を回収し、新設の工事等に使用することが期待されている。そこで、コンクリート塊に加熱処理とすりもみ処理を施して骨材を回収することを検討した。  加熱処理が分離した骨材の性能に与える効果は温度が高いほど大きいが、高温になるにしたがって骨材そのものも劣化する。骨材の品質へ与える影響を考慮した効果的な加熱温度は200~500 ℃であった。加熱保持時間の影響は相対的に小さかった。また、300 ℃の加熱を施し、すりもみ効果の卓越したロッドミルおよび攪拌ミルによりそれぞれ30~120分処理したとき、建築工事標準仕様書・同解説JASS 5Nの絶乾比重および吸水率の規定値を満足する品質の粗骨材および細骨材が得られることが判明した。