著者
森谷 渕
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.57-65, 1997

米国ワシントン州にあるHanfordのDOE施設は、第二次大戦中から戦後の米ソ冷戦構造の間、核兵器開発の中心的存在であった。東西対決も終わり、核兵器の廃絶が進められている中で、かつてのPu生産炉や再処理施設の環境回復が大きな問題としてクロースアップされてきている。   ここでは、Hanford核兵器開発の歴史を振り返り、Pu生産とそれに伴う再処理廃棄物の発生と管理状態、177基に及ぶ廃棄物タンクの現況とクリーンアップの計画などについて、その概要と問題点について紹介する。   1996年9月以降DOEは、Project Hanford管理契約(PHMC)とタンク廃棄物回復システム(TWRS)により、Hanford Tank Waste Cleanupを民間請負化することで、その進捗を計ろうとしている。
著者
古賀 康男 井上 敏克 立屋敷 久志 助清 満昭 岡本 雅道 浅野 闘一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.17-25, 1997

原子炉の解体に伴い、大量の非放射性コンクリートが発生する。環境への配慮から、このコンクリートを処理して重量比で80 %を占める骨材を回収し、新設の工事等に使用することが期待されている。そこで、コンクリート塊に加熱処理とすりもみ処理を施して骨材を回収することを検討した。  加熱処理が分離した骨材の性能に与える効果は温度が高いほど大きいが、高温になるにしたがって骨材そのものも劣化する。骨材の品質へ与える影響を考慮した効果的な加熱温度は200~500 ℃であった。加熱保持時間の影響は相対的に小さかった。また、300 ℃の加熱を施し、すりもみ効果の卓越したロッドミルおよび攪拌ミルによりそれぞれ30~120分処理したとき、建築工事標準仕様書・同解説JASS 5Nの絶乾比重および吸水率の規定値を満足する品質の粗骨材および細骨材が得られることが判明した。
著者
武田 聖司 西村 優基 宗像 雅広 澤口 拓磨 木村 英雄
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.23-38, 2012 (Released:2013-02-28)
参考文献数
40

TRU廃棄物の地層処分の安全評価において,多量のセメント系材料を使用した処分施設から溶出する高アルカリ性地下水がバリア機能へ影響を及ぼす可能性があることがとくに懸念されている.そこで,セメント系材料から溶出する高アルカリ性地下水の母岩への影響を,地下水流動場において地球化学と物質移行の連成解析でシミュレートし,TRU廃棄物の地層処分における高アルカリ性領域の拡がりに,二次鉱物の生成の有無がどのように影響するかを検討した.また,母岩の水理特性の影響の解析も実施した. ゼオライトの沈殿に関して,1) 実験での観察により沈殿する可能性がとくに高いと考えられるanalcimeとphillipsite(2種類)のみを考慮した場合や,2) それ以外で沈殿する可能性のある13種類のゼオライト(clinoptilolite(2種類),heulandite,laumontite,mordenite,erionite(2種類),chabazite(2種類),epistilbite,yugawaralite,stilbite,scolecite)も含めた計16種類のゼオライトを考慮した場合では,高アルカリ性領域の拡がりや二次鉱物の沈殿量に関してほぼ同様の結果が得られ,高アルカリ性領域(pH>11)は40 m程度までしか拡がらず,当該領域で0.1Vol.%以上の二次鉱物が沈殿し,いずれのケースでも主にゼオライトとしてはanalcimeとphillipsite,ゼオライト以外としてはsepioliteの沈殿が支配的であった.一方,3) それらのゼオライトの沈殿を考慮しない場合には,二次鉱物の生成量はゼオライトを考慮した場合に比べて少なく,高アルカリ性領域が広範囲に拡がる計算結果となった.このことから,二次鉱物としてゼオライトが生成するか否かが高アルカリ成分の拡がりや二次鉱物の沈殿量に影響することがわかった.また,地下水流速の影響をみるために10倍速い流速を設定した場合では,もとの流速を設定したケースより広範囲に高アルカリ成分が拡がることが示された.これは高アルカリ成分を中和する化学反応が,母岩に含まれる鉱物の溶解反応速度によって制限されているためと考えられた.
著者
水野 峰雄 後藤 一郎 藤岡 綱昭 安池 由幸 池田 泰久 高島 洋一
出版者
一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会
雑誌
原子力バックエンド研究 (ISSN:18847579)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.221-231, 2000

現行の再処理において採用されているチョップ・アンド・リーチ法では,大型剪断装置を必要とし,かつ使用済み燃料を酸難溶性のジルカロイ被覆管を付けたまま高温・高濃度の硝酸溶液で処理するため,溶解工程における負荷が大きいものとなっている.   本研究では,このような現行のヘッド・エンド・プロセスの抱える課題を解決するため,燃料集合体を解体し,燃料を被覆管より取り出した後,燃料のみを現行法より温和な条件で連続的に溶解させるとともに,燃料内のトリチウムやヨウ素を除去することによる溶解以降の工程の負荷軽減にも寄与しうる新ヘッド・エンド・プロセス技術の開発を行っている.   本報では,新ヘッド・エンド・プロセスの要素技術である燃料取出技術,ボロキシデーション技術,燃料溶解技術に関する研究成果の概要について報告する.