著者
福田エリック駿 定久紀基 井上浩明 竹中崇 浅井哲也 本村真人
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2014-SLDM-164, no.16, pp.1-6, 2014-01-21

Memcached は多数のサーバのメモリ上にデータをキャッシングすることで Web サーバなどの応答を高速化する技術である。Memcached の処理は非常に単純である一方大きなメモリバンド幅を必要とするが、既存の汎用プロセッサでは低消費電力と高メモリバンド幅を両立することが難しいため、FPGA を用いて Memcached を高速化する研究が近年盛んに行われている。本研究では、Memcached の機能全体を FPGA に実装する従来のアプローチとは異なり、Memcached サーバ上に搭載した FPGA 搭載 NIC 上に Memcached の機能とデータの一部をキャッシングするアプローチを提案する。ソフトウェアシミュレーションによる評価の結果、本アプローチでは通常のソフトウェアによる Memcached サーバと比べて平均遅延が最大 6 倍改善することがわかった。