著者
坂井 貴行 忽那 憲治 井内 健介
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

我が国の大学等には,優れた科学技術の研究成果が多く存在するものの,多くの研究成果は商業化まで至っていない.大学等における産学連携・技術移転はイノベーション創出に極めて重要であると考えられており,科学技術の研究成果を産み出す「研究者」と研究成果の商業化の担い手である「産学連携実務者」の考え方,取り組み方はイノベーション創出可否の鍵になると考えられる.本研究では,研究成果の商業化に関わるステークホルダーである「産学連携実務者」と「理系研究者」とに着目し、日本において何が商業化の課題・制約となっているのか,その心的要因を明らかにし,更に欧州の分析結果と比較して我が国が抱える科学技術研究成果の商業化における問題点を明らかにすることを目的としている.平成30年度は,産学連携実務者を対象に,Quadruple Helixモデルによる6Pマーケティングミックスを用いて大学等の研究成果の商業化に対する意識調査(アンケート調査)をおよび分析を行った.平成31年度は、平成30年度に実施した研究成果は論文として取り纏め、産学連携学会誌『産学連携学』に投稿し、acceptされた。また同様のモデルを用いて、大規模大学と中小規模大学の理系研究者を対象に、大学等の研究成果の商業化に対する意識調査(アンケート調査)を実施し、理系研究者が自身の研究成果の商業化に対してどのような意識を持ち,何が商業化の制約になっているかを分析した。
著者
坂井 貴行 忽那 憲治 井内 健介
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

日本の産学連携組織(大学等の産学連携部門・TLOなどの技術移転機関)においては、成果・収入を経年的に向上させている優良組織とそうでない衰退組織の二極化の傾向がある。本研究では、大学・研究機関における産学連携組織の成功要因を精査するために衰退する要因に着目し「衰退しない要因」を導出する。インタビュー調査により、これまで積極的に取り上げてこられなかった衰退に関するデリケートな情報を体系的に収集し、組織に関する一次データを用いた質的比較分析を実施することで、大学・研究機関・TLO等の産学連携組織のガバナンスの在り方など、我が国の抱える大学・研究機関における産学連携組織の問題点を明らかにする。