著者
堀川 俊二 只佐 宣子 平原 恵子 井藤 久子 森末 志津恵 原田 貴治 江木 康夫 大森 一郎
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.16-21, 2008

平成18年はノロウイルスを原因とした感染性胃腸炎が早くから発生し,医療施設,老人福祉施設等での集団発生が多発した。JA吉田総合病院においても,平成18年10月3日~17日の間に,6病棟のうち3つの病棟で嘔吐・下痢症状を有する者,入院患者29名,職員18名,合計47名を認めた。保健所へ報告,緊急院内感染予防対策委員会を開催し,現状の把握,感染拡大防止策,有症者への説明,入院制限,面会制限等を保健所の指導下で行ない,10月17日には新規有症者は0となった。Infection Control Team (以下,ICT) は集団発生事例の調査検討を行ない,現行のマニュアルを見直し,緊急時の対応,各職員の職務分掌,環境整備の方法等「感染性胃腸炎発生対応マニュアル・作業マニュアル」を作成した。ICTは,感染対策の知識の普及とともに,いかなる場合でも実働部隊として対応できる準備をしておく必要がある。