著者
森 英雄 藤間 一美 清弘 智昭 桜井 彪 小谷 信司 猪井 善生 今 義博
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

研究の目的は盲導犬ロボットを試作し、視覚障害者に本当に役に立つ歩行補助装置は何かを明らかにすることである。ロボットは電動車椅子に環境を理解するためのセンサーと電子地図を載せ、障害物を回避しつつ視覚障害者を道案内するロボットである。本研究による成果は次の通りである。1)画像処理とDGPSをベースとする盲導犬ロボット「晴信7号機」を開発し、大学構内の走行実験や知能ロボットシンポジウム(1997年1月、川崎産業振興会館)、8th Int'l Symp.of Robotics Research(葉山,1997年10月3-7日)の公開デモで自律走行に成功した。2)ソナーをベースとする盲導犬ロボットを開発し、視覚障害者の歩行を研究している心理学者が被験者になって評価し、盲導犬ロボットの有効性を実証した。3)足のリズムを歩行者のサインパターンとして画像処理で検出するシステムを開発した。4)自動車の真下の陰を自動車のサインパターンとして画像処理で検出するシステムを開発した。このシステムで交差点を通過する自動車の位置と速度を検出し、交通規制に基づいて進路を予測し、危険度を判定するシステムを開発した。T字路で実験した結果90%の確率で危険度を予測できた。5)パルスコードで変調した超音波を送信し、物体からの反射波と送信波の相関をとって距離を計測するソナーシステムを開発した。トラックや建築機械等が出す騒音に強いことを実証した。また複数のソナーシステムのパルスコードを変えることによって同時計測が可能なことを実証した。