著者
今井 [カン]弌
出版者
京都文教大学
雑誌
人間学研究
巻号頁・発行日
vol.8, pp.77-90, 2007

亡き祖母の父性的精神像である霊に取り付かれた女子の変容過程と魔女の魔法によって老婆の姿に変えられた「ハウルの動く城」のヒロインであるソフィーの変容過程とを比較した。思春期危機は変容のための危機である。思春期の女子は親から守られなければならない。しかし、母親との結びつきが弱い女子は完全な女性像である老婆と出会う必要がある。彼等は老婆の守りの中で悲しみや怒りを体験し、大人の女性へと変容するのである。