著者
小俣 海斗 今井 慎一
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.305-314, 2021-03-10 (Released:2021-03-15)
参考文献数
17

本研究では,小学校プログラミング教育の授業としてIoT 教材を用いたPBL 型授業を行い,児童はIoT 教材を活用して問題解決を行えるのか,また,PBL における活動人数の違いによる児童の反応の特徴を明らかにすることを目的として調査を実施した.全11回の授業を行い,児童の最終成果物を4観点(4点満点)で評価した分析と,自由記述の感想に対するテキストマイニングによる分析を行った.成果物の分析から,提出者129名の平均得点は3.42であり,113名(88%)の児童が3観点以上を満たしていたため,5年生の児童はIoT 教材を活用して問題解決を行うことができることが明らかになった.また,感想の分析から,問題解決を個人で行う場合は,考える時間を十分に確保する必要があり,難しさを感じる児童への支援が必要なこと,グループで行う場合は,児童が自分の意見を言えるような環境を整えることが必要であることが示唆された.