著者
今井 清利
出版者
長崎大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

研究目的:長崎県内で難病や重度障害により四肢麻痺となり、自立した生活が困難となっている人々のために病院・施設や患者さん宅を訪問し、コンピュータやメカトロニクス技術を応用して意思伝達装置や環境制御装置等の自立を支援する装置を製作、障害者の方々が日々積極的に活動を行えるようQOL向上を支援する生活支援用具を提供する。研究成果1、脳性マヒ患者の依頼により、車イスに取り付けた車イステーブル上で操作できるDSIコントローラーを製作し、提供した。本操作装置は車イステーブルの上にマジックテープで固定され、サーボモーター部(PICマイコン基板を収納)とコントローラー部からなる。サーボモーター部とDSIの電源を入れ、コントローラー部のジョイスティックで十字キーの左右、上下を選択し、AB、XYボタンでゲームを進行する。2、脳性マヒ患者のために、電動車イスに装着したジョイスティックで机上のパソコンを操作する赤外線操作装置を製作し提供した。外出時にノートパソコンを操作するために、電動車イスに取り付けたジョイスティック傾き検出装置とマウスの機能の押しボタンスイッチの情報を赤外線通信を用いて、ノートパソコンに接続しているジョイスティック用基板に送信して使用する。3、重度障害者のために、圧力センサーで操作できる意思伝達装置を製作し提供した。ALSで健常者のように話すことができなくなった方のために、コミュニケーションを支援する圧力センサーを用いた意思伝達装置を製作・提供した。使用者の現状DSIコントローラーは、「今まで、この装置を使っていて分かったことは、ボタンを連打しない限り、一日三時間は、確実に使えるという事です。」と、報告がありました。赤外線操作装置は、メンテナンスを行いながら現在使用中です。圧力センサー操作装置は、現在、重度障害者の方々に幅広く利用されております。今回の研究実績は平成22年度熊本大学総合技術研究会で報告しました。