- 著者
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三枝 晋
大井 正貴
今岡 裕基
志村 匡信
井上 靖浩
楠 正人
- 出版者
- 日本臨床外科学会
- 雑誌
- 日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
- 巻号頁・発行日
- vol.75, no.5, pp.1320-1323, 2014 (Released:2014-11-29)
- 参考文献数
- 11
症例は50歳,男性.貧血精査のため,カプセル内視鏡(CE)目的に当院紹介となった.CEの回盲部への到達は確認出来なかったが,観察範囲に多発小腸潰瘍を認めた.5カ月後,貧血の再発を認めたため,再紹介となった.再診時,腹部症状は認めなかった.腹部X線写真・単純CT上,骨盤腔内小腸にCE滞留を認めた.1週間後の腹部X線写真においても,同部位でのCE滞留を認めたため,腹腔鏡下手術を施行した.CEおよび病変部位は,腹腔鏡下に容易に同定可能であった.回腸末端より約50cmの回腸にCEおよびfat wrapping signを伴う狭窄を認めた.その他の小腸に異常は認めなかった.狭窄部を含む約30cmの小腸を切除し,機能的端々吻合を行った.病理学的所見は,非特異性単純潰瘍であった.術後経過は良好であり,貧血の進行を認めていない.回腸狭窄によるCE滞留例に対し,腹腔鏡下手術を施行したので報告する.