著者
今村 速夫 酒多 喜久
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ボールミリングによるナノ複合化によって、Mg水素化物を活性化して水素の放出過程を促進させることを材料開発のコンセプトに、Sn/MgH_2やSiC/MgH_2を検討した。MgH_2の微結晶中に高分散したSnやSiCのナノコンポジットでは、複合効果が発現して水素の放出温度が低下した。Sn/MgH_2系では、ナノ複合化の結果、MgH_2の水素放出温度が473K近くまで低下した。これはSnによるMgH_2からの水素放出過程における動力学的な促進効果よりも水素化物の熱力学的な不安定化に起因することがわかった。TDS(熱放出スペクトル),DSC(示差熱量分析),TG(熱重量分析)測定よりMg複合系では、複合化の結果少なくとも二種類の水素種が存在することがわかった。