著者
今田 克司
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.27-37, 2022-09-30 (Released:2023-09-28)
参考文献数
26

近年、「社会的インパクト評価」について論じられることが増えてきた。一方で、評価研究の中で、この概念が定着しているとは言い難い。本論では、社会的インパクト評価の概念整理を試み、国内外における理論や実践の議論が、概念を成長・進化させていると論じる。具体的に取り上げるのが、2010年代中盤以降の北米(特に米国)におけるインパクト投資とインパクト測定・マネジメント(IMM)の動きと、日本国内における内閣府社会的インパクト評価ワーキンググループによる概念整理である。これらを概観し、新たに見出された社会的インパクト評価の特質として、学び・改善、マネジメント支援や意思決定のための評価の側面が強調されていることを述べる。