著者
今釜 崇 田中 浩 徳重 厚典 伊達 亮 田口 敏彦
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.204-207, 2012-03-25 (Released:2012-06-26)
参考文献数
11

関節リウマチに対しインフリキシマブ(IFX)投与により臨床的寛解が得られ,投与を中止した症例の経過,特徴を検討した.IFX投与を行った93例中,DAS28の基準で寛解が6カ月以上維持され,患者の同意を得てIFX投与を中止し,1年以上経過観察を行った6例を対象とした.Bio free remissionを1年以上維持できた症例は3例で,3年以上の長期寛解例2例はいずれもSteinbrocker stage II,罹病期間も比較的短い症例で,IFX投与1回目から寛解を獲得していた.またIFX中止前に,Booleanの寛解基準を6カ月以上満たしていたものもこの2例のみであった.長期にBio free remisionを継続する要因として,発症早期で,骨破壊の進行がなく,DASよりも厳格なBooleanの寛解基準を満たすIFXの著効例であることが示唆された.