著者
喜屋武 享 仲井間 憲志
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.95-101, 2021

<p>目的:本稿では,オンデマンド型ポスター発表形式にて実施した小児疾病に関する大学の授業実践を報告するとともに,その授業評価から本授業形式によって得られる教育効果の特徴を明らかにすることを目的とした.</p><p>活動内容:対象者は,一短期大学で保育士・幼稚園教諭の必修科目である「保育内容 健康」を受講した学生136名(女子学生130名)であった.学修内容として受講者には関心のある小児疾病についてまとめたポスターの作成とプレゼンテーション動画の提出を求めた.本授業形式に関する授業評価として1)発表者からみた本授業形式についての感想,2)聴講者からみた本授業形式についての感想,3)全体的な良かった点,4)手こずったことに関する記述を求めた.潜在ディリクレ分配モデルによるトピックモデルによりその自由記述を解析し,成果と課題を抽出した.</p><p>活動評価:本授業形式の特徴的な成果として,発表に際して補足説明が加えられることや動画の撮り直しができること,動画編集により視覚情報を追加できることなどが抽出された.聴講者として繰り返し学修できることがオンデマンド型ポスター発表の大きな利点であり,知識の定着が見込めることや自己調整学習につながる可能性がある.</p><p>今後の課題:今後の課題として,プレゼンテーションの際の不安や緊張を解消する手立て,機器やソフトウエアの使用方法に関する指導,双方向的な意見交換が可能な環境整備が必要である.</p>