著者
仲間 厚人
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.76_1-76_1, 2017

<p> スポーツは長らく若者文化として捉えられていたが、次第に大衆化され、幅広い年齢層に親しまれるようになった。しかし、依然として若者と結び付けられて考えられていることは多く、とりわけ高校生の行うスポーツというものは日本人になじみの深いものであると思われる。例えば、全国高校サッカー選手権大会は、競技レベルにおいて優っていると思われる全日本大学サッカー選手権大会よりも格段に高い知名度を誇るものであるし、甲子園は日本人にとって「夏の風物詩」ともいえるほど馴染んでいる。また、漫画という日本に固有性を持つ文化においても、「SLAM DUNK」や「タッチ」など一世を風靡したものも含め、多くは高校生を題材にしている。このように、日本人にとって、「高校生とスポーツ」という関係は社会意識として深い結びつきを有している。しかし、そもそもどうしてスポーツと高校生は、日本において強く結びつき、物語として社会全般に提供されるようになったのであろうか。本研究では、「高校生とスポーツ」というものが社会意識に浸透する事象に対して、比較社会学的視点からその特徴を分析することによって、「物語」の持つ社会的意味を明らかにしてみたい。</p>