- 著者
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仲間 妙子
- 出版者
- 千葉商科大学
- 雑誌
- 千葉商大論叢 (ISSN:03854558)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.4, pp.177-221, 2005-03-31
2004年12月15日,政府中央防災会議は首都直下地震が発生した場合の被害想定を公表した。一番切迫しているとされる東京湾北部地震(M7.3)では,東京都東部から千葉県北西部にかけて震度6強の激震に襲われ,建物被害が85万棟,死者は1万1000人に達し,負傷者は20万人,生き埋めなどで自力脱出できない人は4万4000人,帰宅困難者は日中で650万人が見込まれるとした。切迫地震に対する早急なる対策の重要性が提示されたと言える。本研究の目的は,これら緊急性を鑑みたうえで,直下型地震などの大規模災害時における民間組織の応急体制の質と量を検証し,大規模災害時の被害抑止,特に,人的被害の震害連鎖を遮断するルートと要因を分析することにある。具体的な研究方法は,阪神・淡路大震災における"生活協同組合コープこうべ"が自治体と締結していた「災害時緊急物資協定」に注目し,都市部が被災地となった緊急時の応急生活物資供給の支援と初動救援体制の役割と効果を検証する。この結果から,大規模災害時の被害抑止となるべき応急対応のあり方と,災害に強い社会作りへのシステムを政策提案する。