著者
伊佐 亜希子 藤本 真司 平田 悟史 美濃輪 智朗
出版者
公益社団法人 石油学会
雑誌
Journal of the Japan Petroleum Institute (ISSN:13468804)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.395-399, 2011 (Released:2012-01-01)
参考文献数
19
被引用文献数
4 8

微細藻類の実用的な炭化水素抽出技術であるヘキサン抽出法,水熱前処理を付加したヘキサン抽出法,超臨界二酸化炭素抽出法,およびDME抽出法の4通りの抽出技術で,同一のボツリオコッカス属の藻類脱水ケーキ(水分含量70 %)から炭化水素1 MJを抽出した場合の投入エネルギーを算出した。4通りの抽出技術で,文献値から設定した条件における投入エネルギーは0.73~1.83(MJ/MJ-炭化水素)の範囲で回収エネルギーの70 %以上を占めていた。投入エネルギー低減の観点から各抽出技術の問題点と改善点を考察し,湿藻体から抽出効率を高めるための研究開発,抽出媒体のロス率を最小限にする装置設計,および熱回収装置や動力回収装置の効率を高める技術開発が重要であることを明らかとした。