- 著者
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伊吹 昌久
福井 健介
Mine Yoshinori
- 出版者
- 日本応用糖質科学会
- 雑誌
- 応用糖質科学:日本応用糖質科学会誌 (ISSN:21856427)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.2, pp.105-112, 2015
- 被引用文献数
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本研究では,ヤシ油搾油残渣であるコプラミールから得られる,酵素処理コプラミール(MCM)とこれに含まれる主要なマンノース化合物であるβ-1,4-マンノビオース(MNB)の免疫機能への影響と成長促進作用,抗炎症作用を調べることにより,飼料用抗生物質の代替としての可能性について調べた。その結果,MNBを含有するMCMを鶏に給与すると,IgA分泌促進がみられ,抗原提示およびインターフェロン関連因子を含む免疫防御関連遺伝子の発現量の増加が認められ腸管免疫賦活化することが示唆された。また,鶏のマクロファージ細胞(MQ-NCSU)におけるサルモネラ菌殺傷能力も高めた。さらにMCMが鶏腸管の形態学的変化を引き起こすことによって栄養素の吸収能を高め,成長を促進することが示された。以上の結果からMCM/MNBは抗生物質代替の可能性が示された。また腸管炎症を起こさせた子豚に対してMCMを投与すると,腸管炎症の治癒が観察され,炎症性サイトカインの抑制がみられた。これらのことからは,MCM/MNBは抗炎症作用もあることが示唆され畜産業界に広く利用される可能性が考えられた。