著者
伊東 哲也 早川 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.377, pp.33-36, 1997-11-17

地震前兆の電磯気現象のうち、最も有効と考えられるのが (1) VLF送信局電波の電離層・大地導波管伝搬波による伝搬異常と(2) ULF電磁放射 (震源からの自然放射) が挙げられる。本報告ではインドネシアのビアク地震 (1996年2月17日、Ms〜8.0、深さ20km) に対して、(1)、(2)の観測項目の結果を報告する。先ず、オーストラリア(メルボルン)のオメガ電波を受けている千葉県犬吠観測所での観測データにも顕著な伝搬異常が発見されている。夜間での位相変動に顕著な前兆が現われている。次に、震央から90kmの地点に名大STE研のビアク地磁気観測所があり、それでの磁界3成分観測データ(1秒サンプリング)を用いてた解析から、ULF電磁放射についても報告する。一つの地霞に対して多項目の観測に開する異常解析は極めて少ない。