著者
伊東 恭子
出版者
京都府立医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

タナトフォリック骨異形成症(以下TD)は、FGFR3遺伝子変異が原因で、四肢短縮などの骨形成異常とともに、中枢神経系では後頭葉・側頭葉に過形成性の過剰な脳回様構造、海馬異形成を伴う。今回我々は、ヒト胎児脳から樹立した神経幹細胞(以下NSCs)に、ヒトのTDで既報告のFGFR3遺伝子変異: FGFR3-K650E、FGFR3-R248Cの各々を導入したNSCsラインを樹立した。さらに、独自の培養液組成と培養環境条件下で、in vitroの系で3次元構築を有するミニブレイン様構造物の作製に至った。今後、TDミニブレインモデルを構築し、脳形成異常のメカニズム解明、レスキュー実験へと展開する。