著者
福島 俊士 青山 繁 簡 章二 中村 幸博 伊波 侃
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.175-181, 1985-02-01
被引用文献数
2

歯型彫刻の目的は,立体的なものを思い浮べそれを石膏棒に再現することで,これが果して歯科技術の習得に役立つものかということと,この技術がくり返しの練習により身についたものになって行くかが,教育現場の人にとって興味あるところである。本研究は,5年次,6年次の同一人が彫刻した歯型彫刻の作品をみて,その1年10ヵ月間にどんな変化が生ずるかを130人の学生を対象に調査観察したものである。作品の判定者には,第1報で評価の安定している3人の指導者を選んでいる。その結果,5年次,6年次間では明らかに進歩がみられており,単に歯型彫刻のくり返し習練のみ怒らず,他の実習で蓄積した知識も反映しているためと考えられる。