著者
許 鳳浩 長谷部 久乃 石原 克之 伊藤 政喜 上馬塲 和夫 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.23-26, 2017-03-31 (Released:2017-04-05)
参考文献数
12
被引用文献数
1

フルーツグラノーラの摂取が排便状況およびQOLに与える影響について検討するため,排便回数が週に5回以下の女性20名(平均年齢20.0 ± 1.1歳)を対象としたオープン臨床試験を行った.フルーツグラノーラ1日当たり50 gを,1食の主食に置き換えて2週間連続摂取させ,摂取前後の排便状況やQOLを比較した.試験の結果,フルーツグラノーラ摂取後は,摂取前と比べて摂取2週間目で排便回数の増加( p =0.014),排便量の増加(p =0.024)が見られ,全体的なQOLの向上(p =0.011)も認められた.このことから,フルーツグラノーラの摂取は排便状況の改善やQOL向上に有効である可能性が示唆された.
著者
長谷部 久乃 石原 克之 伊藤 政喜 許 鳳浩 鈴木 信孝
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.21-27, 2016-03-31 (Released:2016-04-16)
参考文献数
5
被引用文献数
1

女性のQOLを網羅的に把握し,フルーツグラノーラ摂取がQOLに及ぼす効果について検討した.方法は,インターネットを介したアンケート調査(株式会社LSTT製・女性のためのQOL調査票)により,3,460名の身体的・精神的なQOLを調査した.また,便秘気味108名,そうでない者57名の合計165名に対し,フルーツグラノーラを自由に摂取させ,試食前後のQOLの比較を行った. スクリーニング調査の結果,非便秘気味の者は便秘気味の者と比べ,全てのカテゴリーで有意に満足度が高かった.また,フルーツグラノーラの摂取習慣がある者は,精神的側面のQOLスコアが有意に高かった. さらに,フルーツグラノーラを摂取することで,全体的なQOLスコアの上昇が見られた.このことから,フルーツグラノーラの摂取は女性のQOL向上に有効である可能性が示唆された.
著者
山本 剛優 伊藤 政喜 奈良 一寛
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2021年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.26, 2021 (Released:2021-09-07)

【目的】不溶性食物繊維を多く含む全粒穀物の摂取が、冠状動脈疾患のリスク低減に有効であることが報告されている。スナック菓子の原材料としても多く利用されているトウモロコシも食物繊維の豊富な全粒穀物の一つであることから、その利用が期待される。一方でトウモロコシでは、多糖類にフェルラ酸がエステル結合して存在することが明らとなっているが、穀粒の形や性質による差異については十分に明らかではない。そこで本研究では、トウモロコシ多糖類の微細構造の差異について明らかにするため、トウモロコシの種類さらにはそれらの加工品におけるフェルラ酸量の差異について調査した。【方法】トウモロコシ(ポップ種、デント種、ワキシー種)およびトウモロコシ加工品(ポップコーン、コーングリッツ、フライ製品)を材料とした。粉砕した試料を一定量はかりとり、1M水酸化ナトリウムを加えアルカリ処理することでフェルラ酸を遊離させ、遊離したフェルラ酸をHPLCにて測定した。【結果・考察】デント種とワキシー種においては差が認められなかったが、ポップ種においては顕著に多かった。ポップ種はバタフライ型とマッシュルーム型に分類されるが、バタフライ型において、よりフェルラ酸が多いことが明らかとなった。コーングリッツおよびコーングリッツを使用したフライ製品では原料に比べ顕著に減少していた。一方で、ポップコーンは加工後も原料と同程度のフェルラ酸が残存していることが明らかとなった。 以上のことから、トウモロコシ及びその加工品では、種類や加工法によってフェルラ酸に差異が見られることが明らかとなった。中でもポップコーンは、フェルラ酸が多いことから、その摂取源としては有用な素材であることが示唆された。