著者
伊藤 正史
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.J125-J130, 2017 (Released:2017-03-25)
参考文献数
11

地上デジタル放送で,HDと4Kを切替えながら視聴できる番組コンテンツ技術を実用化した.現在の地上デジタル放送では,放送波で4K映像を提供することはできない.しかし,ハイブリッドキャスト運用規定2.0版で,H.265/HEVCにより圧縮符号化された4K映像をMPEG-DASHで配信し,テレビ上で再生する運用が可能になった.そこで,ハイブリッドキャストを使って放送と同内容の4K配信映像を表示し,従来の受信機に影響を与えることなく,放送の使命である視聴者の安心・安全を確保した上で,現在の地上デジタル放送でHDと4Kを切替えて視聴できる番組を実現した.本稿では,4Kなどの新しい映像技術を放送サービスで提供する方法として,ハイブリッドキャストによる放送と通信のハイブリッド伝送の実現手法を示すとともに,実際の放送結果と,視聴地域に応じたCMを表示するアドレッサブル広告への応用について述べる.
著者
伊藤 正史 天谷 啓介
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.23, pp.1-4, 2012-06-08

甚大な被害をもたらした東日本大震災以降,各被災地には放送法第三条の五に基づく臨時災害放送局が開局した.2011年末,その一つである「女川さいがいエフエム」の天谷は,在京局の局員として番組送出システムの設計に携わっていた伊藤の技術報告を読み,臨時災害放送局にも使える小型APCはないかとの相談をSNSで持ちかけた.現在,伊藤は送出部門の所属ではないが,任意団体において既存の大規模送出システムとは対照的な小型汎用送出システムの研究開発を続けており,放送技術者の社会的責任として臨時災害放送局には無償提供することにし,本システムの導入に至ったので報告する.