著者
石橋 雅義 藤永 太一郎 伊豆津 公佑
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌
巻号頁・発行日
vol.81, no.10, pp.1549-1554, 1960

滴下水銀電極を用いる電流規正ポーラログラフイーにおいては,被還元物質の電流電位曲線および限界電流がその後放電物質の電極反応過程に左右される。すなわち,多量後放電物質の電極反応が不可逆な場合,限界電流値は通常のポーラログラフ法におけ大拡散電流に等しいが,後放電物質が可逆的に還元されるときにはそれよりも約10%小さい限界電流値を示す。本報では,いて定電流電解するさいの1滴の間の電位時間式を,後放電物質の電極反応を考慮して導出し流電位曲線式および限界電流,その結果から電の式を求めた。得られた諸式は実験結果とよく一致することを確かめた。