著者
藤森 明 内藤 秀宗 宮崎 哲夫 徳小田 康秀 吾妻 眞幸 橋本 幸枝 上坂 正利 小島 弘栄 似鳥 嘉昭
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.157-160, 1997-02-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

3種のポリスルホン膜、PS-1.6UW、APS-150、BS-1.6を血液透析(HD)および血液透析濾過(HDF)に使用し、膜断面における蛋白付着状態を共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡で観察した。観察した蛋白は、アルブミン(Alb)、IgG、β2-microglobulin (β2-MG)、C3a、顆粒球Elastase、interleukin-1β、interleukin-6、tumor necrosis factor-αの8種類である。Alb、β2-MGは各膜ともHD、HDFで同様の強い蛍光が観察されたが、サイトカインの付着は各膜とも少なかった。緻密層の厚さや細孔構造の違い、表面polyvinyl pyrrolidone配合比率、電位の違いなどによると思われる、若干の差異を認めたものの、今回比較観察した3種類のポリスルホン膜では、これらの蛋白付着パターンに大きな違いを認めなかった。
著者
大平 整爾 長山 誠 花井 智司 岩山 清和 榎本 義雄 似鳥 嘉昭
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.3-7, 1993

中空糸間にスペーサーフィラメント(SF)を配し、透析液流を均一化することにより溶質除去性能の向上を図ったPAN-15SF(膜面積1.5m<sup>2</sup>)を臨床的に評価した。対照ダイアライザーとして従来のPAN-17DX(1.7<sup>2</sup>)、FB-150U(1.5<sup>2</sup>)、F-80(1.9<sup>2</sup>)を用いた。PAN-15SFの小分子クリアランス及び除去率は、対照ダイアライザーと同等であった。また、β<sub>2</sub>-MGのクリアランスは、同膜面積のFB-150Uより有意に高値を示した。膜面積効果を排した総括物質移動係数の比較では、PAN-15SFはBUNで従来のPAN-17DXより有意に高値を示し、他の溶質でも高値を示した。以上の結果より、SFにより溶質除去性能が改善され、PAN-15SFは、対照ダイアライザーと比較して、小分子から中高分子までの溶質に対して同等あるいはより優れた除去性能を有していることが臨床的に確認された。