著者
細川 進一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.937-938, 1990-04-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

多発性硬化症(MS)の患者20例を, フェニールアラニンでリガントされた免疫吸着カラムを用いて治療し, その有用性と安全性を検討した。一次filterで分離された血漿をこの免疫吸着筒を通して病因物質や関連物質を除去した。IAP療法は, 第1週目及び第2週目には各週2回ずつ合計4回実施し, その後,有効性には2週間に第1回の割合で6ケ月間を1クールとして実施した。1回のIAP治療において血漿の総処理量は2であった。IAP治療前後で, 筋力(日常の歩行・起立・坐位・横臥位)や, 末梢の知覚障害, 排尿障害, 視力障害のような臨床症状の改善について調べた。その結果, 筋力においては, IAA治療後20例の患者のうち, すべての患者に改善を認めた。IAP施行中,血圧低下・嘔吐・悪心・発熱・腹通・じんましん・血尿・胸痛等の副作用は一例も認めなかった。IAP治療中, あるいは1クール終了後, IAP治療後, 副作用は全例で全く認められなかった。すなわち非常に安全であることがわかった。
著者
後藤 博之 杉浦 敏文 原田 幸雄 数井 暉久
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.497-501, 1999-04-15 (Released:2010-10-28)
参考文献数
19

腕時計用に開発された自動発電機構がリードレスペースメーカー電源としてどの程度有効であるか, その可能性について検討した. SEIKO社製の腕時計から, 発電機構とキャパシタ (0.33F) を取り出して適宜固定し, ポリビニル製カプセルに納めた (AGS). AGSを2.0V (0.66J) に満充電して, 市販のCMOS-ICを使って製作したパルス発生回路の電源とした. 本回路は1.47mAのパルス (0.5rnsec, 1Hz) を510Ωの負荷抵抗に供給し続けた. この際のAGS電圧は, 加速度発生装置 (±1.7G, 2Hz) を使った発電により1.6Vに維持した. AGS (0.66J) は, パルス発生回路と麻酔下の雑種成犬の心筋に420mJを供給し, 140bpmのペーシングを60分間維持した. 右心室壁に固定したAGSは, 1心拍につき13μJの発電をした. 以上よりAGSは心臓を刺激する充分なエネルギーの供給を期待できると考えられる.
著者
岡本 英治 嶋中 瑞樹 三田村 好矩
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.46-51, 1998-02-15
参考文献数
14

簡易型携帯電話(PHS)を利用し, 体内埋込み型人工心臓装着患者の遠隔管理システムの開発を行った. 体内埋込み型人工心臓装着患者は, 体内の駆動制御装置と通信回線がつながった小型コンピュータを携帯する. 患者携帯コンピュータにはPHSを接続し, 病院内に設置するホストコンピュータと双方向データ伝送を行う. ホスト側から体内駆動制御装置へのコマンドコードは32bits, 駆動制御装置からホスト側へのデータ(モータ電流, モータ回転角度)を8bitsとした. PHSによるデータ伝送では, ホスト側でのデータの誤り判断のためデータのフレーム化処理後伝送し, ホスト側で誤り検出時には再送請求により誤り訂正処理を行う. 伝送されたデータは, ホスト側でリアルタイムの波形として表示される. 屋内にて伝送実験を行った結果, PHS電波状態が悪い状況でも, 通信速度9600bpsでデータ伝送を行えることを確認した
著者
柴 建次 周 英明 越地 耕二 塚原 金二 土本 勝也 大海 武晴 中村 知道 遠藤 誠子 増澤 徹 巽 英介 妙中 義之 高野 久輝
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.341-346, 1998

DC-DCエネルギー伝送効率が86%以上の完全埋込型人工心臓駆動用体外結合形経皮エネルギー伝送システム(ECTETS)のin vitro及びin vivo実験を行った。体内コイル、体内整流回路をヤギ皮下に埋込み、体外に設置された(1)電子負荷装置または(2)電気油圧駆動方式完全埋込型人工心臓をECTETSにより動作させた。その結果、(1)において、DC-DCエネルギー伝送効率は、81.4%(出力電力19.2W)であった。In vitroと比べ効率が低下したのは、体外コイル滅菌のための消毒液の付着により分布静電容量が増加したことが原因であることがわかった。また、(2)人工心臓の駆動(70bpm)においては、駆動電力、拍出流量、DC-DCエネルギー伝送効率、埋込部最高温度はそれぞれ20.7W、6.2L/min、82.1%、40.4℃となり生体に影響がない程度であることが確認された。
著者
角田 幸秀 妙中 義之 巽 英介 上所 邦広 中村 真人 増澤 徹 柴 建次 越地 耕二
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.31-35, 2000

完全体内埋込み型人工心臓 (TAH) の開発において, 安全性・耐久性に優れた経皮エネルギー伝送システム (TETS) の開発はきわめて重要である。今回, 現在開発中の電気油圧方式TAH (EHTAH) システムのTETSに対して長期間の<I>in vivo</I>評価を行った。体重39kgの成山羊の胸壁に体内コイルを埋込み, 1日のうち20Wで23時間および40Wで1時間のスケジュールで連続経皮エネルギー伝送を行い, 体外コイルの表面温度, 体内コイルの内部側表面温度, 伝送効率を測定した。その結果, 4カ月以上にわたって82-85%の伝送効率で連続伝送を行い得, また各部の温度上昇も十分許容可能な範囲にあった。以上より, 現在開発中のTETSは, 安定性及び耐久性の面で, 十分な実用性を有することが確認された。
著者
星野 康弘 小野 稔
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.161-163, 2017-12-15 (Released:2018-03-15)
参考文献数
14
著者
太田 淳
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.70-74, 2013-06-15 (Released:2013-09-20)
参考文献数
13
被引用文献数
1
著者
築谷 朋典
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.61-65, 2014-06-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
4
著者
尾本 正 四津 良平 申 範圭 又吉 徹 三丸 敦洋 井上 仁人 長 泰則 茂呂 勝美 加島 一郎 中尾 佳永 堤 浩二 前原 正明 古梶 清和 川田 志明
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.56-58, 1998-02-15
被引用文献数
1

当施設で施行した高齢者(65歳以上)に対するMICSの手術成績について検討を行った。対象は96年12月より97年8月までに施行した65歳以上のMICS症例5例で内訳は、僧房弁置換術2例、僧房弁形成術1例、左房粘液腫腫瘍摘出術1例、大動脈弁置換術1例であった。全例に対し術前に自己貯血を行った。胸部切開線は7~10cmであった。大動脈遮断時間は127±29分で人工心肺灌流時間は240±49分であった。輸血は2名に対して行い、術後合併症、手術死亡、遠隔期死亡を認めず、平均術後在院日数は20±7日であった。手術に際しては、MICS用開胸器、MICS用人工心肺回路、IVC用デシャン、体外式除細動パッド、胸骨リトラクター、経食道エコー等工学的支援を必要とした。高齢化社会をむかえた現在、MICSの導入によって、術後疼痛からくる肉体的精神的負担の軽減、入院期間の短期化による経済的負担の軽減等が期待される。
著者
宮 淳 前田 肇 堀 原一
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.1953-1958, 1985

大動脈弁閉鎖不全(AR)に起因した左心不全に対する緊急的かつ短期的な治療を目的として, (1) 経末梢動脈的に挿入・抜去が可能で, (2) 良好な固定性を有し, (3) 駆動装置の不要な新形式のカテーテル式傘型人工大動脈弁(CAV)を作製し, 実験的にARに起因した急性左心不全犬にてその左心補助効果を検討した. ARの作成によって拡張期および平均大動脈圧はそれぞれ42.0, 30.3mmHg低下, 平均左心房圧は8.7mmHg上昇し, 心拍出量は46.4%減少した. このARに対し, CAVを挿入, 作用させると拡張期および平均大動脈圧はそれぞれ22.9, 16.2mmHg上昇, 平均左心房圧は3.1mmHg低下し, 心拍出量は50.9%増大した. CAVによるAR治療の試みは過去にも行なわれていたが本CAVはその構造上バルブ部の良好な血流中心への固定性によって逆流防止作用が確実なこと, 冠状動脈入口部閉塞の危険性のない点が特徴であり, 重症ARの術前・術中の心負荷の軽減, 術前突然死の予防等に使用しうると考えられた.
著者
矢尾 善英 長田 一仁 長田 鉄也 末定 弘行 箱島 明 石川 幹夫 石丸 新 古川 欽一
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.757-760, 1989

Björk Shilly C-C弁をもちいた僧帽弁置換術患者20例にたいしてX線シネ撮影を用いた直視下の弁機能の観察を行った。最大解放角度, 弁座動揺角度, 解放時間, 閉鎖時間は経時的変動は少なく良好な結果を示した。弁座動揺角度は症例による変動が大きく, 10度以上の症例は11例で, これらの弁サイズは全例31mmであり, 左房, 左室の拡大, 肺高血圧が見られた。
著者
清水 浩 小林 和生 岩田 博夫 雨宮 浩 阿久津 哲造
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.203-208, 1991

ハイブリッド型人工膵臓では、ラ島は血管系から切り放されさらに半透膜で被われている。このためハイブリッド型人工膵臓の血糖値変化に応答したインスリン分泌は、当然自然の膵臓からのインスリン分泌とは異なるであろう。本研究では、ハイブリッド人工膵臓の形状、半透膜の膜厚や膜中の高分子濃度等がインスリン分泌に与える影響を、実験と理論の両面から検討を加えた。よく実験値を再現できる数式モデルを組み立てることができた。数式モデルによる解析より、インスリン分泌の動特性に与える影響は、ハイブリッド型人工膵臓の形状よりはラ島を包むハイドロゲル膜の膜厚が大きな影響を与えることがわかった。本研究により、ハイブリッド型人工膵臓作製のための、基礎データを得る膜透過試験評価システムまたインスリン分泌の数式モデルを構築でき、これらは今後新規な封入材料を選定したり、新たなシステムを作製する有効な手段になり得ると考えられる。
著者
高木 啓之 岡本 晃〓 高松 幹夫 佐藤 元美 高木 登志子
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.1041-1044, 1988-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
4

Single chamberの空気駆動のポンプの圧排、膨満をセンサーの電位レベルできめ、電磁弁と連動させると、パンビングは自走する。その際のsystole, diastoleを計測してS/Dを求め、あらかじめプログラムに与えたS/Dの目標値に近づく様に空気圧を調整するという方式の全自動制御システムを開発した。このシステム下のパンピングは、preload(流入量)とafterloadに自動的に対応し、流入量が同一ならばafterloadが変化してもoutputは同じで、逆に流入量が変化すればafterloadが同一でも、システムがきめる空気圧は異り、outputは異った。このS/Dの目標値は各deviceで異るから、あらかじめ模式回路で計測してきめる必要がある。
著者
勝本 慶一郎 新堀 立 奥野 隆久 竹内 慶治
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR ARTIFICIAL ORGANS
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.1458-1461, 1985

Activated Vitreous Carbon電極(AVCE)の臨床的評価を得るために、電極と生体との初期反応を2段階式植込法または、temporary-permanent法を用いて研究した。他のElsiloy電極やプラチナ電極との比較もおこなった。恒久的ペースメーカー植込適応患者を対象に、電極表面積12mm<sup>2</sup>のAVCEを48人に概み、25例は心室ペーシング、23例は心房ペーシングとした。他の37人は、表面積12と24mm<sup>2</sup>のElsiloyまたはプラチナ電極を用い、さらに他の13人は各種の他電極を用いた。<br>刺激閾値、電極間抵抗、分極電圧、心内R波高、心内P波高ならびに心内ST部分などの変動を、7日間にわたり追求した。AVCEは、心房、心室とも低い分極電圧を示したが、電流刺激閾値は、Elsiloyやプラチナ電極と同様の変動を示し、かならずしも低刺激閾値電極とは言えない。