著者
豊島 英徳 堀 原一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.256-269, 1972-12-15 (Released:2011-12-02)
参考文献数
55

(植込み形)人工臓器にとって本質的な問題であるエネルギー源(電源)について, とくに商用電源, 水銀電池等在来形電源に一部とってかわる高信頼・長寿命(10年)のラジオアイソトープエネルギー源(電源)(ことに, β-ce1. 238Pu RTG)について, 現在実用化されている(人工)心臓ペースメーカーの場合を中心に, 欧米各国の報告の紹介, 著者らの動物実験での経験に併せて, また補助・人工臓器の場合は簡単に, 解説した.
著者
細川 進一
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.937-938, 1990-04-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

多発性硬化症(MS)の患者20例を, フェニールアラニンでリガントされた免疫吸着カラムを用いて治療し, その有用性と安全性を検討した。一次filterで分離された血漿をこの免疫吸着筒を通して病因物質や関連物質を除去した。IAP療法は, 第1週目及び第2週目には各週2回ずつ合計4回実施し, その後,有効性には2週間に第1回の割合で6ケ月間を1クールとして実施した。1回のIAP治療において血漿の総処理量は2であった。IAP治療前後で, 筋力(日常の歩行・起立・坐位・横臥位)や, 末梢の知覚障害, 排尿障害, 視力障害のような臨床症状の改善について調べた。その結果, 筋力においては, IAA治療後20例の患者のうち, すべての患者に改善を認めた。IAP施行中,血圧低下・嘔吐・悪心・発熱・腹通・じんましん・血尿・胸痛等の副作用は一例も認めなかった。IAP治療中, あるいは1クール終了後, IAP治療後, 副作用は全例で全く認められなかった。すなわち非常に安全であることがわかった。
著者
後藤 博之 杉浦 敏文 原田 幸雄 数井 暉久
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.497-501, 1999-04-15 (Released:2010-10-28)
参考文献数
19

腕時計用に開発された自動発電機構がリードレスペースメーカー電源としてどの程度有効であるか, その可能性について検討した. SEIKO社製の腕時計から, 発電機構とキャパシタ (0.33F) を取り出して適宜固定し, ポリビニル製カプセルに納めた (AGS). AGSを2.0V (0.66J) に満充電して, 市販のCMOS-ICを使って製作したパルス発生回路の電源とした. 本回路は1.47mAのパルス (0.5rnsec, 1Hz) を510Ωの負荷抵抗に供給し続けた. この際のAGS電圧は, 加速度発生装置 (±1.7G, 2Hz) を使った発電により1.6Vに維持した. AGS (0.66J) は, パルス発生回路と麻酔下の雑種成犬の心筋に420mJを供給し, 140bpmのペーシングを60分間維持した. 右心室壁に固定したAGSは, 1心拍につき13μJの発電をした. 以上よりAGSは心臓を刺激する充分なエネルギーの供給を期待できると考えられる.
著者
矢田 公
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.1055-1061, 1994-10-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
26
著者
岡本 英治 嶋中 瑞樹 三田村 好矩
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.46-51, 1998-02-15
参考文献数
14

簡易型携帯電話(PHS)を利用し, 体内埋込み型人工心臓装着患者の遠隔管理システムの開発を行った. 体内埋込み型人工心臓装着患者は, 体内の駆動制御装置と通信回線がつながった小型コンピュータを携帯する. 患者携帯コンピュータにはPHSを接続し, 病院内に設置するホストコンピュータと双方向データ伝送を行う. ホスト側から体内駆動制御装置へのコマンドコードは32bits, 駆動制御装置からホスト側へのデータ(モータ電流, モータ回転角度)を8bitsとした. PHSによるデータ伝送では, ホスト側でのデータの誤り判断のためデータのフレーム化処理後伝送し, ホスト側で誤り検出時には再送請求により誤り訂正処理を行う. 伝送されたデータは, ホスト側でリアルタイムの波形として表示される. 屋内にて伝送実験を行った結果, PHS電波状態が悪い状況でも, 通信速度9600bpsでデータ伝送を行えることを確認した
著者
柴 建次
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.86-88, 2014-06-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1
著者
築谷 朋典
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.61-65, 2014-06-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
4
著者
幕内 晴朗 田中 公啓 松永 仁 岡部 英男 川内 基裕 関口 昭彦 進藤 剛毅 古瀬 彰
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.873-876, 1989-04-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
15

最近13年間に17例の「エホバの証人派」信者に対する無輸血開心術を行った。年令は6才から51才, 男女比は3:14で, 成人例は全て女性であった。体重は21.5~51.0kg, 術前Ht値は35.1~53.7%であった。使用した人工肺は気泡型13例, 膜型4例で, 体外循環時間は死亡例(340分)を除くと最長222分であり, 体外循環中の最低Ht値は18~31%であった。術前後における体重増加率は-0.8~+9.6%と開きが大きく, 体外循環時間とは正の相関が認められたが, 最低Ht値や希釈率とは相関しなかった。二弁置換術の一例は不十分な心筋保護により心蘇生が得られず台上死したが, 他は全例生存した。Ht値は術後除々に低下し, 2~14日で最低(16.0~32.6%)となり, 以後上昇に転じた。術後24時間の胸部ドレーンの排液量は5.5~25.6ml/kgであり, 内2例に再開創・止血を行った。膜型肺の使用, 術中Cell-Saverの使用, 術後自己血返血システムの併用および術後出血に対する再手術の迅速な決断が無輸血手術の成功に委要と考えられた。
著者
大石 恭久 塩瀬 明
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.230-233, 2018-12-15 (Released:2019-03-15)
参考文献数
23
著者
三宅 仁 藤正 巌 井街 宏 西坂 剛 大道 久 岩井 矩成 河野 明正 渥美 和彦
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.145-148, 1978-01-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
4

According to our total artificial heart experiment, the long survival can be achieved by maintainig of cardiac output in normal rate, which is 80 to 100ml/kg.When an experimental animal is made exercise, its cardiac output should be increase. The amount of increased cardiac output is seemed to relate venous pressure, peripheral resistance or partial O2 pressure of blood. The relation between load of exercise and such physiological data, as CVP, TPR and O2 consumption, were analysed quantitatively in this report.The results were; 1) By CVP, the cardiac output of artificial goat during exercise could not be determined. 2) TPR has some relation to the cardiac output but we need more precise study. 3) O2 consumtion is seem to be most useful information to control total artificial heart.
著者
阿部 裕輔
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.75-77, 2014-06-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
4
被引用文献数
2
著者
飯田 充 塩野 元美 折目 由紀彦 中田 金一 秦 光賢 瀬在 明 山田 英明 柏崎 暁 木下 潤一 根本 光洋 幸島 孝志 瀬在 幸安 斎藤 敏三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.821-825, 1996-08-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
10

心原性ショックにより臓器血流の不均等分布が生じた生体に対し, 完全拍動流人工循環と, 完全無拍動流人工循環が主要臓器に対していかに影響するかを, 腎臓と皮膚に着目して実験的に検討を行った. ブタ10頭(体重39.2±3.6kg)を対象とし, 右心バイパスは遠心ポンプを使用し, 左心バイパスは, 拍動流を空気駆動型補助人工心臓で行い, 無拍動流を遠心ポンプを使用して循環した. 心原性ショックを作成後, 大動脈圧を一定に保った. 脈圧はP群は45.7±9.6mmHg, NP群ではほぼ完全に定常流を示した. 流量は約40ml/kg/minと低かった. 腎皮質血流量においてP群が有意に血流の増加を認め, 腎皮質髄質血流量比において, 拍動流群が不均等分布の改善傾向が見られた. 血流の不均等分布を起こした生体にとって, 脈圧は重要であり, 臓器血流を改善させ, 臓器不全を回避するためには, 無拍動流人工循環下では十分な生体の維持は難しいものと考えられた.
著者
村上 淳
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.214-217, 2021-12-15 (Released:2022-03-15)
参考文献数
1