著者
佐々木 利廣
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.63, pp.13-16, 2011-06-17

マルチステイクホルダーシステムは、既成の縦割組織の硬直性や閉鎖性から脱皮し、異質な他者との出会いと共同作業による自由で創造的発想を重視し、対等性を基盤にした合意形成のための意思決定への参画を重視するような仕組みとプロセスである。企業とNPOと行政の三者が、一方向的支援・批判・評価から双方向の創造的相互作用過程へと進化しながら主体の意識や戦略も進化していくような仕組みとプロセスをマルチステイクホルダーシステムと考えると、とりわけソーシャルビジネスの領域でマルチステイクホルダーシステムをどのようにデザインし運用するかが今後ますます重要になると思われる。報告では、主に新庄市のヨコタ東北を中心にした食品トレーリサイクルシステム、福島県いわき市のNPO法人ザ・ピープルを中心にした古着リサイクルシステム、神奈川県のNPO法人WE21ジャパンを中心にした古着リサイクルシステムをもとに、企業・NPO・行政の協働によるリサイクル事業をマルチステイクホルダーシステムの視点から分析する。