- 著者
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佐々木 功一
人見 久城
- 出版者
- 一般社団法人 日本科学教育学会
- 雑誌
- 日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.5, pp.35-40, 2018 (Released:2018-04-07)
- 参考文献数
- 24
レッスン・スタディとして海外にも広がりを見せているわが国の授業研究も,その目的や方法,重要事項や課題が,時代や参加主体によって異なる。たとえば吉崎(2012)は授業研究の目的は実際には重複するものの,大別すると4つあるとしている。実際に授業研究を行う教師は,これらの目的のいずれを意識して実践しているのだろうか。本研究は,授業研究の望ましい在り方を模索するため,教師が授業研究に求めるもの(ニーズ)や目的意識を複数の視点から調査・分析したものである。その結果,調査を行ったT地区の小学校教師は授業力向上に協働的に励んでおり,様々な向上要因のなかでも,校内授業研究が授業力向上に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。そして,その教師たちは3つの独立した因子の影響を受けて授業研究を捉えていることが示唆された。