著者
佐々木 寛幸 阿部 佳之 松浦 庄司 山本 博
出版者
日本芝草学会
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.30-32, 2009-10-31
参考文献数
4

屋上緑化にオガクズを副資材とする牛ふん堆肥をそのまま使用することの可能性を検討した。<br>栃木県北部にある建物の屋上において, 市販の稲稚苗用育苗箱に牛ふん堆肥を充てんし, オノマンネングサ (<i>Sedum lineare</i>), メキシコマンネングサ (<i>Sedum mexicanum</i>), サカサマンネングサ (<i>Sedum reflexum</i>) を挿し芽した。その後12回にわたり上方部から写真撮影し, 画像処理により個体ごとの被覆面積の経時変化を計測した。その結果, 堆肥100%であっても, 3種のセダムは枯死することなく生育したが, オノマンネングサとメキシコマンネングサについては対照区と比較すると低い生育量となった。
著者
小路 敦 須山 哲男 佐々木 寛幸
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.88-91, 1999-04-30
被引用文献数
6

野草地景観を経済的に評価するため, 環境などの公共財を経済的に評価するのにもっとも適しているとされるCVMを適用した。評価対象は, 野草地景観の衰退が著しい島根県三瓶山の野草地とした。アンケート調査は, 雄大な野草地景観が見渡せる西の原駐車場付近において行い, WTPのほか, 被験者の属性や意識についても問い, これらを変数としてWTPの中央値・平均値を推定した。ロジスティック回帰分析の結果, 一人あたりの年間WTPは, 中央値で3,674円, 平均値で6,497円と算出された。無雪期間の年間来訪者数627,500人を掛け合わせ, 年間中央値で約23億円, 平均値で約40億7千万円の価値が三瓶山の野草地には潜在すると算出された。