著者
神田 鉄平 池田 慎 大内 真菜美 長﨑 絢子 山本 理恵 森下 友裕 前田 憲孝 佐々木 崇了 古本 佳代 加計 悟 村尾 信義 古川 敏紀
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.7-12, 2011 (Released:2011-10-18)
参考文献数
10

メデトミジン(MED)が引き起こす体温低下に対して加温輸液を静脈内投与することの効果について健康なイヌを用いて検討を行った。生理的食塩液(control)あるいはメデトミジン40 μg/kgを筋肉内投与し、同時に10 ml/kg/hrでリンゲル液を室温(RT)あるいはアニメック(ANI)、メディテンプ(MEDI)という二種類の加温装置を用いて4時間の静脈内投与を実施した。MED-ANI群では体温低下が僅かに緩和される傾向がみられたが、加温しない群と比較して統計学的に有意な差は認められなかった。結果から、イヌにおいて本条件での加温輸液の投与はメデトミジンによる体温低下を有意には抑制しないことが示された。
著者
前田 憲孝 佐々木 崇了 神田 鉄平 藤岡 透 古川 敏紀
出版者
獣医麻酔外科学会
雑誌
獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:09165908)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.21-24, 2011 (Released:2012-04-11)
参考文献数
7

長期の慢性外耳炎の病歴を持つアメリカン・コッカー・スパニエルで、右側頬部の膿瘍ならびに外耳道口の腫瘤形成が認められた。CT検査により外耳および中耳の占拠病変、鼓室胞腹側の骨融解が認められ、超音波手術器を用いた外側鼓室胞骨切り術および全耳道切除術により良好な経過を得た。本症例の病態として、慢性の外耳炎が引き金になり、腫瘍が形成されることで、慢性化膿性中耳炎ならびに瘻管形成による頬部の皮下膿瘍が生じたと考えられた。