著者
中野 航 佐々木 広大 野村 健人 石川 恭平 濱田 七々美 古橋 秀成
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.139-143, 2022 (Released:2022-09-23)
参考文献数
12

去勢雄,9歳齢のトイプードルが疼痛を伴う四肢の肉球の紅斑およびびらんを主訴に当院を受診した。臨床および病理組織学的検査により,肝臓の空胞状変性を伴う壊死性遊走性紅斑(肝皮症候群)と診断した。治療としてプレドニゾロン,亜鉛補給,肝庇護療法,卵黄の給餌およびアミノ酸輸液を行なった。症状は一時的に改善したが,貧血,糖尿病,細菌感染などを伴って第207病日に死亡した。治療期間中の血中総分岐鎖アミノ酸(BCAA)およびチロシン濃度をモニタリングし,その意義を検討した。