著者
水野 敬 佐々木 章宏 田島 華奈子 堀 洋 梶本 修身 渡辺 恭良
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第126回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.833, 2015 (Released:2015-07-23)

本邦の国民の約4割は6ヶ月以上疲労が続く状態、慢性疲労状態にある。慢性疲労は、さまざまな疾患発症に寄与するため未病状態といえる。よって、慢性疲労克服法の創出は健康社会形成の一助となる。われわれは急性疲労・慢性疲労・疾患関連疲労の分子神経基盤を探究しつつ、疲労回復に資する抗疲労介入研究を推進している。本講演では、癒される森林などの風景画像による生理心理指標に基づく疲労軽減効果について紹介する。疲労負荷作業中に、風景画像を呈示することで、疲労に伴う1)脳波における覚醒度低下の抑制効果、2)認知機能における注意制御パフォーマンス低下の抑制、3)自律神経における交感神経活動亢進の抑制および4)疲労感上昇の抑制効果が得られることを明らかにした。よって、実際の自然風景の眺望が困難なオフィス環境下においても、これらの風景画像を活用することにより疲労軽減効果が得られ作業効率を維持することが可能となる。本成果を一例とする科学的検証法に立脚した抗疲労ソリューションを実生活空間へ提供・還元していくことが、健康社会実現のための具体的方策の創出、健康科学イノベーションの本格的展開に導くと期待している。