著者
佐久間 信至 日渡 謙一郎 ロバート ホフマン 山下 伸二
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.403-410, 2010 (Released:2010-11-05)
参考文献数
22

大腸粘膜内に留まる転移リスクのない発生初期の大腸がんをリアルタイムに診断し,内視鏡下で切除することを可能にする世界初の大腸内視鏡検査用造影剤を開発する.造影剤は,がん化に伴い大腸粘膜上に発現する特異抗原の末端糖鎖を認識するピーナッツレクチンおよび正常部位との非特異的相互作用を抑制するポリN-ビニルアセトアミドを表面に固定化し,クマリン6を内包したレクチン固定化蛍光ナノスフェアである.内視鏡下,大腸粘膜上のがん病変に集積した造影剤の蛍光に由来するがん組織(明部)/正常組織(暗部)のコントラストに基づき,がんを診断する.