著者
佐伯 明比古
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.191-198, 1990-03-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
9
被引用文献数
2 11

固定化酢酸菌の食酢製造の工程に利用し,製造期間の短縮および生産効率の向上を図ることを目的として,アルギン酸カルシウムによる酢酸菌の固定化条件および流動層型カラムリアクターを用いた連続酢酸発酵条件について検討し,次のような結果を得た. (1) アルギン酸カルシウムによる酢酸菌の最適固定化条件は,最終アルギン酸ナトリウム濃度1.0~1.5%,塩化カルシウム濃度2~3%,ゲル直径1.1~1.5mmであった, (2) 固定化酢酸菌による連続発酵では,希釈率0.32h-1の時,酢酸生産速度は最大となり7.2g/(l・h)であり,従来法と比較すると生成酸度と生産速度はともに2倍となった. (3) 固定化酢酸菌による連続発酵では,リアクターを二槽式とすることにより,単槽式よりも効率的に食酢を生産することができた.