著者
ピンヘイロ マルセロ・ホセ・ペドロサ 佐方 啓介 佐方 あけみ 牧田 登之
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.113-116, 1997-09

野生動物の減少を防ぎ, 畜産的に飼育繁殖をはかる目的で, クビワペッカリー(学名:Tayassu tajacu, 現地名Catetuカテトウ)の飼育をはじめた。雄1頭雌2頭を一組として, 3組を1群とする。野生の3群と, 自家繁殖による3群を, 10m×12mの区画に1群ずついれ, 飼料(ペレット), メロンなどの果物, イモなどの根菜, を給餌する。各群内で雌は共有されるが, 他群の雌を混ぜると侵入者とみなし殺す。雄が死んだ場合は群内の雌を総入替えする。性周期が約24日で, 発情期は約4日間である。通年発情を示す。妊娠期間は142〜149日で, 通常1頭を出産するが2頭のこともある。出産時には産場に雌を移す必要がある。出産後2〜3時間で子供は歩ける。1日位母親についているが, 4〜5日で親からはなして育てる。泌乳期は6〜8週間で, 子供は背後から乳頭に吸いつく。乳質は低脂肪である。野生群, 自家生産群との境界における両群の成体の行動のパターンを目下観察中である。
著者
ピンヘイロ マルセロ・ホセ・ペドロサ 佐方 啓介 佐方 あけみ 牧田 登之
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.113-116, 1997 (Released:2018-05-05)
参考文献数
7

野生動物の減少を防ぎ, 畜産的に飼育繁殖をはかる目的で, クビワペッカリー(学名:Tayassu tajacu, 現地名Catetuカテトウ)の飼育をはじめた。雄1頭雌2頭を一組として, 3組を1群とする。野生の3群と, 自家繁殖による3群を, 10m×12mの区画に1群ずついれ, 飼料(ペレット), メロンなどの果物, イモなどの根菜, を給餌する。各群内で雌は共有されるが, 他群の雌を混ぜると侵入者とみなし殺す。雄が死んだ場合は群内の雌を総入替えする。性周期が約24日で, 発情期は約4日間である。通年発情を示す。妊娠期間は142〜149日で, 通常1頭を出産するが2頭のこともある。出産時には産場に雌を移す必要がある。出産後2〜3時間で子供は歩ける。1日位母親についているが, 4〜5日で親からはなして育てる。泌乳期は6〜8週間で, 子供は背後から乳頭に吸いつく。乳質は低脂肪である。野生群, 自家生産群との境界における両群の成体の行動のパターンを目下観察中である。
著者
佐方 啓介 佐方 あけみ マチャンゲ ジュリアス H. 牧田 登之
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.91-99, 1997
参考文献数
14

タンザニア南東部のキロンベロ野生動物管理区で18頭のアフリカスイギュウ(<i>Syncerus caffer caffer</i>)を中心とした草食獣のダニ寄生相を調査した。合計7種32頭の草食獣から7種類のマダニ, <i>Amblyomma eburneum</i>, <i>Amblyomma gemma</i>, <i>Amblyomma tholloni</i>, <i>Hyalomma truncatum</i>, <i>Rhipicephalus compositus</i>, <i>Rhipicephalus evertsi evertsi</i>および<i>Rhipicephalus simus simus</i>を採取した。捕獲したアフリカスイギジュウのうち成体雌1頭に水心嚢, 心筋や心内外膜の点状出血がみられ, 肉眼所見でダニ媒介性のリケッチア感染, 水心症(Heartwater)と診断された。