著者
佐柳 友規
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

ヒトと同じ霊長類であるコモンマーモセットにバルプロ酸を経口投与することにより自閉症モデルを作製した。この自閉症マーモセットは複数の自閉症様行動異常を示し、ニューロンの刈り込み異常が認められることを確認している。固定脳切片を用いてミクログリアの形態や数の変化を解析し、自閉症マーモセットのミクログリアは密度の低下、突起の繊細化などの異常形態を有することを示した。免疫組織化学的解析からミクログリアの機能異常も示され、ミクログリアの異常が自閉症におけるシナプス刈り込み不全に関与している可能性が示された。大脳皮質各エリアにおける遺伝子発現変化の解析からも治療標的となりうる分子を見いだしている。