- 著者
-
北浦 道夫
西本 雅彦
佐牟田 健
戸田 成志
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
- 雑誌
- 医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:13456903)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, no.3, pp.440-444, 2003
当院のペインクリニックでは主に痛みを持っ患者を対象に神経ブロックが行われているが、その合併症は多岐にわたっている。そのため、ペインクリニックにクリティカルパスを導入し、患者および医療従事者の理解度の向上、合併症の早期発見、インフォームドコンセントの充実、業務の効率化、チーム医療の充実、コスト管理などに効果を上げているので紹介する。<BR>当科でクリティカルパスを導入しているのは神経ブロックでは腹腔神経叢ブロック、胸・腰部交感神経節ブロック、神経根ブロック、三叉神経節ブロックなどであり、疾患では顔面神経麻痺に導入している。クリティカルパスは1種類のブロックにっき、患者用パス、医療従事者用パス、患者説明パスの3種類となっている。<BR>また、ペインクリニックにおいても採算を度外視して行われる時代ではもはや無い。現在導入されつつあるDiagnosis Procedure Combination (DPC) に対応できるように我々は各種ブロックに対し、コスト計算を行っている。<BR>現在電子カルテの導入に向け、クリティカルパスとオーダリングシステムをリンクさせることにより、よりいっそう効率的な医療を提供できるように努力中である。クリティカルパスの作成は医師だけで行うのは困難であり、看護師、放射線技師などの医療従事者は当然としてコスト管理については医療事務の協力も得ており、よりよいクリティカルパスを導入できるように推進中である。