著者
佐藤 吉海 藤田 功 佐々木 博
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.68-76, 2013-10-31

MRI頭部臨床画像を対象に,同一ROI法と差分法によるSNR測定において,撮像法やROI内組織の不均一性およびモーションアーチファクトがSNR測定値に与える影響について検討した.撮像法としては2DFE法,T1強調2DSE法,T2強調2DFSE法,および3DFE法を取り上げ,各撮像画像の白質領域内の前頭葉,基底核,後頭葉に左右計16個のROIを設置しSNRを測定した.また,位相エンコード方向と周波数エンコード方向の無信号領域に設定したROIの標準偏差を比較することでモーションアーチファクトの影響の検討を行った.その結果,SNRの計測値への不均一性,モーションアーチファクトの影響は,加算回数の増加によってSNRが大きくなるほど大きくなること,および,影響の大きさは撮像法によって異なることが明らかになった.特に,2DFSEおよび3DFEでは,SNRの高い画像を得るために加算回数を増加しても,モーションアーチファクトの影響が大きくなり,期待されるほど良い画質が得られないので注意が必要である.