著者
佐藤 安代
出版者
埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
雑誌
保健医療福祉科学 (ISSN:2186750X)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.28-31, 2020-03-31 (Released:2020-04-03)
参考文献数
19

看護を学ぶ学生には、コミュニケーション能力の向上が求められている。そこで看護学科1年生を対象に音楽療法を行い、その前後でコミュニケーション・スキル尺度を用いてコミュニケーション・スキルの変化を測定した。データ分析にはSPSS Statistics 22を使用し、音楽療法前後の尺度得点の平均点の差を検定した(Wilcoxon符号付順位検定、p<0.05)。分析対象者は10名であった。音楽療法の前後で測定したコミュニケーション・スキル尺度の合計得点において、有意な得点の上昇がみられた。6つの下位尺度の中では、「自己統制」「自己主張」「関係調整」、それぞれに関する因子の合計得点において、有意な得点の上昇がみられた。今後は、学生のコミュニケーション能力を向上させるために、音楽療法のどの内容が有効であったのか、どのような時期に行うとより効果的であるかの検討を行っていく必要がある。