- 著者
-
横山 恵子
- 出版者
- 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
- 雑誌
- 保健医療福祉科学 (ISSN:2186750X)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.7-13, 2014-03-31 (Released:2019-12-03)
- 参考文献数
- 11
【目的】精神障害者家族会の若年層の統合失調症患者の親の家族会入会から現在までの経験から、家族会の将来のあり方への示唆を得る。方法:エスノグラフィーの手法を用い、地域家族会での参加観察と17名の会員へのインタビューを行った。結果:分析の結果、【家族会入会までの家族の心理的変化】【家族会で得たもの】の2つのカテゴリが得られた。【家族会入会までの家族の心理的変化】には、≪混乱≫≪後悔/自責感≫≪孤立感≫≪元に戻る/期待≫≪元には戻らない/覚悟≫≪家族会入会≫という6段階が見出された。家族会入会には、病気に対する「覚悟」が必要であり、それが入会を阻害していた。【家族会で得たもの】には、≪情報≫≪未来への希望≫≪居場所≫≪信頼できる仲間≫≪体験的知恵≫≪自信≫の6つが含まれ、家族会は家族支援における重要な地域資源であった。家族会は入会を待つだけでなく、家族会から手を差し伸べる重要性が示された。