著者
佐藤 拓弥 片山 徹郎 喜多 義弘 山場 久昭 油田 健太郎 岡崎 直宣
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.1137-1149, 2018-04-15

ソフトウェア開発におけるデバッグは,手間のかかる工程である.プログラムの欠陥を効率良く特定するためには,プログラム実行時の挙動を把握することが重要である.しかし,プログラム実行時の挙動は一般的に不可視であり,その挙動がどこまで正しかったのかを把握することは困難である.そこで,本研究では,Javaプログラムのデバッグの効率化を目的として,プログラムの欠陥特定を支援するデータ遷移可視化ツールTFVIS(Transitions and Flow VISualization)を開発した.TFVISは,プログラム実行時のデータ遷移と実行フローの可視化を行う.評価実験では,TFVISを活用することで欠陥特定に要する時間を約35%削減できることを確認した.このことから,TFVISによる可視化がデバッグ効率の向上に効果的であるといえる.