著者
佐藤 智恵
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.393-403, 2013

本研究の目的は,特別な支援を必要とする,ある一名の男児の,保育所から小学校への移行について,男児,保護者,保育者・小学校教諭の3者の語りを併せて質的に分析し,就学移行期の実相を描き出すことである。方法は,半構造的なインタビューを行った。分析により,それぞれが男児について異なる見方をしていたこと,男児にとって小学校での学習環境に困難さがあったこと,保護者との関係性において保育者と小学校教諭では差異があったことが浮かび上がった。また保育者と小学校教諭では「子どもの特性に合わせる」ことについて違いがあると考えられた。