著者
横井 紘子
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.12-22, 2007-08-30

The purpose of this study is to examine the development of play itself through elucidation of the mode of being and the transformation of play, based on play theory by K. Nishimura and H-G. Gadamer. The fundamental sense of playing is the medial one ; the basic structure of "play" is the movement backward and forward. In addition, "play" contains elements of self-presentation. Starting from concepts of "play" like these, the mode of being and transformation of "play" are examined through observing children's play episodes. The results suggest that the transformation of "play" itself is not single-track way used commonly in the sense of the word "development". It is necessary to reconstruct a developmental theory on "play" itself based on the appreciation of the mode of being of "play".
著者
宮田 まり子
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.50-60, 2013-08-31

本研究は,幼稚園の保育場面を観察し,大型積み木で遊ぶ3歳児の行為と構造の変化から,積み木遊びにおいて何を体験し,他者とどのように協働していくのか,その過程を明らかにする。積み木は,フレーベルの恩物からの流れを持ち,幼稚園創設以来多くの園に設置されているが,積み木遊びの固有性に関する研究は数少なく,実際の保育場面における積み木遊びについてはあまり述べられてこなかった。本研究では,A幼稚園3歳児の1年間(内68日間)を観察し,積み木遊びで見られた特徴的な行為に着目し,事例を作成した。分析の結果,活動の質の変化から,(1)目的の出現と相違の時期,(2)イメージの相違と共有化に向かう時期,(3)協働の時期の3つの時期に分けられた。
著者
品川 ひろみ
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.224-235, 2011-12-25

本研究は日系ブラジル人が多く入所する保育所において,通訳がどのような役割を果しているのかについて,保育士に対するアンケート調査,園長に対するインタビュー調査をもとに,「日常の保育」と「文化の保障」という二つの視点で検討した。その結果,「日常の保育」においては,通訳の存在は大変重要であり,通訳がいることで子どもや保護者へのコミュニケーションがスムーズにいき,細かいところにまで配慮した保育が実現できることがわかった。「文化の保障」についても,通訳が子どもの母語や文化を保障する役割としても機能していることがわかった。一方で,日本人保育士たちは多様な考えをもち,必ずしも文化の保障が必要であるとは考えていない者も見られた。また,通訳が常駐している保育所と,巡回型の保育所では,通訳の役割そのものは,どちらも同じように重要であったが,巡回型では時間的な制約があり,十分な関わりができない面も確認された。
著者
河崎 道夫
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.12-21, 2008-08-30
被引用文献数
3

There have been two radical changes in the history of children's play in the past half-century in Japan. The first change began in the 1960s: the period of Japanese rapid economic growth. During this period, children began to lose the three essential factors of play: time, space, and company. Gradually, fewer and fewer children were seen playing outdoors, such as running around with their friends. Many kinds of children's play that had accumulated over time as historical constructs began to be lost. This fundamental change continued, with the second radical change occurring in the late 1980s. At that time, technological development of electronic devices and expressive media produced massive amounts of expressive cultural goods for children such as game software, video software, and picture books. These artificial, fantastical, and imaginative products created a big market targeted at children. Consequently, children's interactive play with the real world, especially nature, changed into play with expressive electronic cultural products. This tendency changed children's play radically from interactive, physical, and creative play to more passive activities. Today, children are likely to play alone indoors without physical activities. It is feared that these changes will have harmful effects on children's mental and physical development.
著者
岩田 恵子
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.157-167, 2011-12-25

本研究においては,幼稚園における子どもたちの仲間づくりが,社会的集団のあり方と相互規定的なものとして存在することを前提として,子どもたちの仲間集団の形成とそのプロセスにみられる「排除」「いざこざ」の意味を問い直すことを目的とした。3年保育の幼稚園における子どもたちの自由遊び場面におけるやりとりの事例分析の結果,子どもたちは不安定な中で小さな共通点から「安心」できる場の形成を試み,それとともに「排除」ととれる行為が構成されていること,ただし,そのままの状態には留まらず,多様な関係の可能性をさぐる「いざこざ」の中で他者を理解した上での「信頼」関係の形成が試みられることが見出された。幼児期の仲間集団の形成は,個々の社会的なスキルを身につける側面からだけではなく,集団のダイナミクスからその行為の意味を検討する必要が示唆された。
著者
河邉 貴子
出版者
日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.296-305, 2015-12-25

本稿の目的は,子どもの育ち合いを考える際には関係論的な視点だけでなく,文化的実践としての遊び理解の視座が必要であると論じることである。子どもは身近な環境にかかわることによって,環境の潜在的可能性を引き出しつつ,遊びの課題を生成し,そのことによって遊びの状況を絶えず更新している。このようなプロセスが保障される遊びこそ質の高い遊びであり,育ち合いが保障される。保育者は子どもの遊び課題と遊びの状況を理解し,援助の方策を考える必要がある。
著者
細田 淳子
出版者
日本保育学会
雑誌
日本保育学会大会研究論文集
巻号頁・発行日
no.47, pp.82-83, 1994-05-01