著者
佐藤 素子 千葉 景子
出版者
北海道社会保険病院
巻号頁・発行日
2003-12-31

患者と家族が安心して療養生活を送るためには、極力負担を軽減するような体制を築くことが求められる。今回在宅中心静脈栄養療法(HPN)を選択した高齢世帯の食道癌患者に対し、医療側と地域とでチームを結成し自宅訪問や皆で話し合いをする場を持つ事で退院に導く事が出来た。患者と家族の多く(特に高齢世帯)は、自分達がどのような社会資源を活用できるのかについて理解している例は少ない。そこで、患者の最も身近にいる看護師は、患者と家族の望む生活により近い環境を提供するため、①患者・家族に地域で行われている支援システムを紹介し活用方法を伝える。②患者・家族とともに在宅療養生活をイメージ化し、その実現へ向けて地域への橋渡しを行う。③在宅療養生活を支えるために地域とチームを結成し、その中で患者・家族の代弁者としてリーダーシップを発揮する。という役割がある事を学んだ。