著者
佐藤 聡彦
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本マネジメント学会全国研究大会報告要旨集
巻号頁・発行日
no.64, pp.43-47, 2011-10-29

本稿では,専門経営者における「プロフェッショナル」に着目し,協働から人間や仕事における分業・分離の過大な重視,短期的な成長志向に基づく企業の極大(資本・企業)利潤の追求が行われ,専門経営者においては,粉飾や虚偽報告,高額報酬問題などに起因する社会を斯く不祥事が起こされている。かかる背景から,専門経営者における「プロフェッショナル」とは何か考察する必要があるのではないかといった問題提起を行った。筆者は,専門経営者の「プロフェッショナル」とは,「社会結合の専門化」として「人間」と「仕事」の両面を統一していくことであり,かかる両面の統一とは「精神」であると考えた。その「精神」とは,人間・社会への応答可能性を持って,社会的欲求に応える事業の遂行に対して「経営利潤」をあげる「企業家精神」である。すなわち,「企業家精神」のなかでも,事業を企業や経営を通じて歴史的社会的に作る「事業経営家精神」であるという結論に至った。