著者
松永 佳世子 矢上 晶子 佐野 晶代 中村 政志
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、グルパール19S(GP19S)を含む特定の洗顔石鹸の使用者に新規な即時型コムギアレルギー患者が大規模に発生し、社会問題化した。本研究では、最初に、GP19S特異IgE抗体を指標とした検査法を構築した。これは、重症度を反映し、予後評価にも有用と考えられた。また、患者血清IgE抗体を用いた免疫学手法により、小麦グルテンやGP19Sの製造工程サンプル、GP19S以外の加水分解コムギ(HWP)との結合性を評価し、GP19S特異IgE抗体のグルテンへの交叉反応が症状誘発機序であること、GP19Sの抗原性は酸加熱処理の工程で生じたこと、一部の他HWPにも類似抗原が含まれること、を特定した。